アイソメ図の書き方について

一般にアイソメ図と呼ばれる等角図（等測図、等測投影図）についてのメモ。

三次元オブジェクトの作画が必要な場合、CADのデータからなめらかな曲線のアイソメ図が書き出せるのであれば楽だが、利用しやすいデータが書き出せるとは限らないので手作業の作画のデータの方が使いやすいこともある。

以下、Illustrator 等のドロー系のソフトでアイソメ図を正投影の三面図から作画する際の参考情報を記す。

基本的な考え方

平面（Z面）、正面（X面）、右側面（Y面）の各面について、正投影で描かれた図を元に変形し、投影面に等角投影されるであろう投影図を作成する。

平面（Z面）、正面（X面）、右側面（Y面）の各面の正投影図を用意する。
各面の図を投影面に投影される形に変形する。
1. 変形の仕方には複数のやり方が考えられる。
2. 変形する割合の数字は無理数のため、近似値を用いる。
凹凸などは各面に投影された要素を主軸の方向に沿って縮尺に合わせた寸法分移動して3次元の形を描画する。
1. 理屈上の座標を考えて描画すれば大体のオブジェクトは表現できる。
2. 曲面などは難しいので慣れが必要。

各面の幅を「拡大・縮小」で変倍、「シアー」で変形し、平面のみ「回転」して作図する例。

平面の変形（正投影図の右下を変形の起点にする）
1. 「拡大・縮小」でツールで「水平方向」のみ ≒ 0.86602540378 ≒ 86.603% 縮小
  - ルート3/2 - Google 検索
2. 「シアー」ツールで垂直に30°傾ける
3. 「回転」ツールで右に60°傾ける
正面の変形（正投影図の右上を変形の起点にする）
1. 「拡大・縮小」でツールで「水平方向」のみ 86.603% 縮小
2. 「シアー」ツールで垂直に30°傾ける
右側面の変形（正投影図の左上を変形の起点にする）
1. 「拡大・縮小」でツールで「水平方向」のみ 86.603% 縮小
2. 「シアー」ツールで垂直に-30°傾ける
完成した等測図を ≒ 0.81649658092 ≒ 81.65% 縮小すると等測投影図になる
- ルート2/ルート3 - Google 検索

各面を主軸方向に「回転」し、「拡大・縮小」を用いて主軸方向に縮小して作図する例。

平面の変形（正投影図の右下を変形の起点にする）
1. 「回転」ツールで右に45°傾ける
2. 「拡大・縮小」でツールで「垂直方向」のみ ≒ 0.57735026919 ≒ 57.735% 縮小
  - 1/ルート3 - Google 検索
正面の変形（正投影図の右上を変形の起点にする）
1. 「回転」ツールで右に15°傾ける
2. 環境設定で「角度の制限」を「-60」にする。
3. 「拡大・縮小」でツールで「垂直方向」のみ 57.735% 縮小
右側面の変形（正投影図の左上を変形の起点にする）
1. 「回転」ツールで左に15°傾ける
2. 環境設定で「角度の制限」を「60」にする。
3. 「拡大・縮小」でツールで「垂直方向」のみ 57.735% 縮小
完成した等測投影図を ≒ 1.22474487139 ≒ 122.474% 拡大すると等測図になる
- ルート3/ルート2 - Google 検索

英語では「Isometric projection」がいわゆるアイソメ図の対訳になると思うが、等測図、等測投影図の区別に関してはどうもはっきりとした対訳が見当たらない。
「Isometric projection」の「Isometric」は120度で角度をつけた主軸の方向へのそれぞれの長さの縮尺が同じことを示している。
等測図は主軸方向への長さの寸法は正投影図での寸法と同じになり、縮尺は1になる。
等測投影図は主軸方向への長さの寸法は正投影図での寸法の約81.65%の縮尺になる。